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イサム・ノグチの空間芸術 ―危機の時代のデザイン

2,970円

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世界的な彫刻家イサム・ノグチ(1904〜1988)は、1930年代から一貫して、経済や環境などの社会問題を改善することを目標に、公共空間をデザインしてきました。本書は不況や戦争、環境破壊や移民増加など問題が続出する危機の時代に対応するため、ノグチがどのような芸術を生み出したかを、様々なプロジェクトを年代順に取り上げ、多数の図版とともに検討します。混迷する現代社会に、芸術はいかに働きかけることができるかを考えるヒントがあります。(出版社ウェブサイトより)

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目次

はじめに

第1章 広がる世界、閉じる社会―大恐慌下のアメリカ

1.新しい空間性による社会改革
(1) 四次元的な空間の広がり
(2) 電気のモニュメント
(3) ミニマルな農業モデル
(4) 公共彫刻制作の壁

2. 公共彫刻実現の方法を模索して
(1) 労働組合関連のプロジェクト
(2) 連邦政府の芸術プログラム
(3) 大企業の商業プロジェクト

3.閉塞していく社会の中で
(1) 拡大主義と人種差別
(2) 砂漠の共同体

第2章 空からの破壊、地中からの再生―第二次世界大戦と復興

1.戦場のめまい
(1) 空爆された空間のレリーフ
(2) 空想の風景から現実の世界へ―境界を越えて

2.戦後社会と彫刻家の使命
(1) 新しいコンセプト― 「生きている記念碑」と「新しい記念碑性」
(2) 生きている記念碑最初のコンペ
(3)「余暇の環境」を求めて世界の旅へ

3.過去・自然・人が交わる空間のデザイン
(1) インド独立のシンボル
(2) 芸術を通した日米の和解
(3) 広島・都市再生のメタファー

第3章 ヘゲモニーとヘテロトピア―冷戦時代の理想郷
1.アメリカの中の「他所」としての日本庭園
(1) 日本化する景観とアメリカ化する建築
(2) リーダーズ・ダイジェスト東京支社―冷戦のプロパガンダ
(3) ユネスコ本部1―政治と美学の結婚
(4) ユネスコ本部2―伝統との対話

2. 資本主義のヘテロトピア―つながりと遮断
(1) ガラス張り高層ビルの表と裏
(2) 郊外の企業パーク―合理主義を和らげる田園的風景
(3) 世界の新しい秩序を象徴する庭
(4) 彫刻家とデザイナーのはざま

3. プラザ―企業と公共空間
(1) マンハッタンでのプラザの台頭
(2) プラザ彫刻が象徴するもの

第4章 中心の再創造―アメリカ都市の危機に挑む
1.現代彫刻と都市再生
(1) 公共彫刻をめぐるイデオロギー転換
(2) 身体と環境をつなぎ直す―シアトルのプロジェクト

2. 水と大地の彫刻
(1) 都市再生運動と噴水
(2) 大地の児童遊園

3.共同体の新しい心臓
(1) 危機の時代の公共広場 デトロイトのハート・プラザ
(2) 公共空間の共同制作
(3) 共同体の物語を作る舞台

イサム・ノグチ関連年表
図版クレジット一覧
おわりに

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著者:松木裕美
出版:淡交社
発行年:2021年